臨床血液
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臨床研究
小児t(8;21)急性骨髄性白血病:臨床的特徴と予後因子における成人例との比較
林 英蔚渡邉 健一郎濱畑 啓悟足立 壯一秋山 祐一宇佐美 郁哉久保田 優筒井 孟清水 健太田 茂澤田 眞智子鬼頭 敏幸片岡 昭浩若園 吉裕中畑 龍俊
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2001 年 42 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

t(8;21)-AMLの報告の大半は成人例についてであり,これまでに小児例のまとまった報告は少ない。われわれはt(8;21)-AMLの小児14症例について後方視的に検討し,成人例との臨床的特徴を比較し予後因子について検討した。小児例の臨床的特徴としては初診時発熱を認めるものが71%, 白血球数は平均12,700/μlでNAP活性の低下を認めた。細胞表面抗原はCD13, 33, 19, 34, HLA-DRが陽性であった。寛解導入率は100%で,再発は14例中3例であった。成人例とは異なり骨髄好酸球増多例が少ない傾向が認められた。成人例の予後因子は白血球増多・腫瘤形成等が報告されているが,われわれの小児例の予後とは相関しなかった。われわれの検討では再発した症例でTdT陽性であり,小児例における予後因子としての可能性が示唆されたが,今後の症例の集積が必要であると考えた。

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© 2001 一般社団法人 日本血液学会
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