臨床血液
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症例
臍帯血移植にて長期寛解が得られているダウン症候群の急性単球性白血病
黒澤 秀光坪井 龍生嶋岡 鋼奥谷 真由子仲島 大輔松永 貴之萩澤 進佐藤 雄也杉田 憲一江口 光興
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2005 年 46 巻 4 号 p. 274-277

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抄録

症例は4歳6カ月のダウン症(DS)の男児で急性単球性白血病(M5a)と診断した。芽球はCD4, CD33, CD56, 陽性,染色体検査でt(9;11)を有し,MLL遺伝子の再構成を認めた。小児AML共通プロトコール(AML99)-Down protocolによる2度の寛解導入を試みたが寛解が得られず,3度目の導入療法で寛解が得られた。HLA完全一致の臍帯血移植を実施した。前処置は全身照射とcyclophoshamide, GVHD予防はcyclosporin A単独とした。DSの移植は移植合併症が多く第一寛解期の移植適応はないとされている。本例は軽度のGVHDを認めた以外は合併症は生じなかった。DSのAML症例で造血幹細胞移植後,合併症なく長期生存している例はまれなため報告した。

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© 2005 一般社団法人 日本血液学会
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