臨床血液
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症例報告
肺病変を伴う全身性Castleman病におけるヒト型抗IL-6レセプター抗体 (tocilitumab) の長期使用経験
赤羽 大悟木村 之彦住 昌彦指田 吾郎後藤 明彦宮澤 啓介大屋敷 一馬
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2006 年 47 巻 8 号 p. 748-752

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抄録

症例 ; 27歳, 男性。全身倦怠感を主訴として来院。頚部および縦隔リンパ節腫脹を認め, 検査所見では肺野に異常陰影, 貧血, 高γ-グロブリン血症, CRP陽性, 血沈亢進を認めた。経気管支リンパ節生検, 肺生検から肺病変を伴う全身性Castleman病 (MCD: 形質細胞型) と診断した。化学療法, 縦隔照射を施行したが治療抵抗性であったために, ヒト化抗ヒトIL-6レセプター抗体 (tocilizumab) 8mg/kgを2週間隔で点滴投与した。投与後早期より全身倦怠感や貧血, CRPなどの炎症反応所見の改善が認められ, 2年間の継続投与中も頚部および縦隔リンパ節の著明な縮小を認め, 良好な全身状態が維持された。肺野病変に関しては特に顕著な変化はみられなかった。有害事象はいずれも軽度もしくは中等度であり, 投与中止に至るものは認められなかった。tocilizumabは本症例に奏功しMCDに有効な治療法と考えられるが, 肺病変を中心とする残存病変については今後の検討が待たれる。

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© 2006 一般社団法人 日本血液学会
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