臨床血液
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症例報告
RISTが有効であった真性多血症からの二次性骨髄線維症
田原 研一横濱 章彦半田 寛斉藤 貴之内海 英貴関上 智美外山 耕太郎馬渡 桃子大崎 洋平松島 孝文唐沢 正光村上 博和塚本 憲史野島 美久
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2009 年 50 巻 11 号 p. 1630-1634

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抄録

真性多血症から二次性骨髄線維症を発症し,輸血依存の状態となった55歳の女性に対し,Fludarabine, melphalanを前治療としてHLA一致同胞よりreduced-intensity stem cell transplantation (RIST)を行った。移植後Day28には好中球数が500/μlを超えたが,day35に行った末梢血のキメリズム検査では混合キメラであった。cyclosporineを中止としたところ肝graft-versus-host disease (GVHD)が出現,day91には完全ドナーキメラとなり,RIST施行前に確認されたJAK2V617F異常陽性細胞が消失,脾腫も急速に縮小した。Day300まで輸血を必要としたものの,比較的高齢者にもかかわらず大きな合併症もなく順調に経過した。RISTは二次性の骨髄線維症の治療に有用な治療となりうると考えられた。

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© 2009 一般社団法人 日本血液学会
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