臨床血液
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症例報告
リツキシマブ併用化学療法におけるラミブジン予防投与終了後のB型肝炎ウイルス再活性化
三村 尚也辻村 秀樹伊勢 美樹子酒井 力小島 広成深井 健一横須賀 收高木 敏之熊谷 匡也
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2009 年 50 巻 12 号 p. 1715-1719

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抄録

リツキシマブ併用化学療法におけるラミブジン(LAM)予防投与終了後にB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化を来したB細胞リンパ腫3例を報告する。3例ともにHBs抗原陽性のHBVキャリアであり,リツキシマブ併用CHOP療法にLAMによる肝炎予防を併用した。HBV再活性化の時期は,リツキシマブ併用化学療法終了後それぞれ6, 8, 13ヶ月後であった。また,LAMの内服期間は治療後それぞれ2, 6, 11か月であった。2例はLAMの再開,1例はエンテカビル投与によって治療し軽快した。HBVキャリアに対する化学療法時の抗ウイルス薬予防投与は広く行われているが,その投与方法や期間は定まっていない。リツキシマブの登場以来,遅発性のHBV再活性化やHBs抗原陰性例でのde novo肝炎が問題となっており,肝炎発症予防のためのモニタリング法や抗ウイルス薬の適切な使用法を含めた早急な対策が必要である。

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© 2009 一般社団法人 日本血液学会
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