臨床血液
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症例報告
CD4陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
仲里 朝周鈴木 一史三原 愛真田 幸尚柿本 綱之吉田 幸子
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2009 年 50 巻 7 号 p. 568-573

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抄録

症例は82歳男性。平成18年4月,右肺上葉肺癌に対して当院呼吸器外科で右肺上葉切除術を施行。術後外科外来で経過観察されていたが,同年8月に左頸部リンパ節および左鼠径リンパ節腫脹が出現。左頸部リンパ節生検を施行したところdiffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)と診断された。細胞表面マーカー解析では,CD2-, sCD3-, CD4+, CD5+, CD8-, CD10-, CD19+, CD20+, CD23+, CD25+, κ+, λ-であった。更にcCD3-, cCD79a+であり二重染色法でCD4+CD19+であることからCD4陽性DLBCLと診断した。臨床病期III AでありR-CHOP療法を計5コース施行。その後現在に至るまで寛解を維持している。T細胞抗原陽性DLBCLはこれまでも報告されているが,CD4陽性DLBCLは文献的に検索し得た範囲では報告がなく極めて稀な症例と考えられた。

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© 2009 一般社団法人 日本血液学会
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