2011 年 52 巻 1 号 p. 14-17
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)と特発性間質性肺炎(IIP)の稀な合併例を経験したので報告する。症例は60歳男性。2009年1月にIIPと診断,3月に在宅酸素療法導入目的で入院した際に貧血を認めた。LDHおよび間接優位のビリルビン上昇,ハプトグロビン低下,直接・間接Coombs試験陽性,脾腫の存在などからAIHAと診断した。全身性エリテマトーデスや他の膠原病の診断基準は満たさず,AIHAとIIPとの合併例と結論した。プレドニゾロン内服によりAIHA, IIP共に改善を認め,プレドニゾロンを7.5 mgまで減量後も悪化はない。両疾患の合併の報告は稀でありその機序も不明である。今後の症例の蓄積が必要である。