抄録
高齢者に対する同種造血幹細胞移植に関するこれまでの報告では多岐にわたるreduced-intensity conditioningが用いられている。本研究では当院における50歳以上の高齢者骨髄性造血器腫瘍に対するフルダラビン125mg/m2), メルファラン(140mg/m2), 全身放射線照射(8Gy)を前処置とした同種造血幹細胞移植の安全性と有用性を後方視的に解析した。対象は10例,年齢中央値は56.5歳,疾患は急性骨髄性白血病,進行期骨髄異形成症候群,二次性骨髄線維症。幹細胞源は同胞骨髄4例,非血縁者骨髄6例であった。全生存率,無病生存率は共に40.0% (95% CI: 10.6~69.4%)であり,死因は再発,真菌感染症,二次がんがそれぞれ2例ずつであった。本前処置による移植では原疾患の再発は少ないものの,毒性が強く移植関連死が多くなる可能性があり,高齢者骨髄系造血器疾患に対する前処置としてはintensityの減弱などによるさらなる改良が必要である。