抄録
抗血小板薬であるチエノピリジン系薬剤クロピドグレル(Clp)の重篤かつ稀な副作用として血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が挙げられる。本症例は77歳,男性で冠動脈ステント留置術後にClpを開始され6週後より下腿点状出血を自覚した。10週後の入院時には微熱と構音障害,血液検査で重度な血小板減少,破砕赤血球を伴う溶血性貧血,腎障害,さらにADAMTS13活性の著減と同インヒビターを認めた。Clp関連TTPと診断後,計7回の血漿交換が行われ臨床症状,血液検査共に改善したが小腸憩室炎穿孔による敗血症にて第89病日に永眠された。チエノピリジン系関連TTPの多くは投薬より12週以内に発症する事から,Clpの重篤な副作用としてTTPを念頭に置き早期診断のためにも投薬から12週以内は2週毎の血液検査が必要と思われた。