臨床血液
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症例報告
悪性リンパ腫に対する化学療法後に発症し再燃を繰り返したHelicobacter cinaediによる蜂窩織炎
石澤 丈森 毅彦塚田 唯子松木 絵里横山 健次清水 隆之杉田 香代子村田 満岩田 敏岡本 真一郎
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2012 年 53 巻 6 号 p. 623-627

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抄録
症例は62歳,男性。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対してR-CHOP療法を5コース行った後に両側下腿の蜂窩織炎を発症した。発熱は認めなかったが血液培養施行5日後にHelicobacter cinaedi (H. cinaedi)が検出された。Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC)により速やかに改善したが,中止後数日で再燃した。その後もPIPCとamikacinの併用療法およびamoxicillinによる治療を行ったが,治療終了後に再燃を繰り返した。H. cinaediは免疫不全患者において菌血症や蜂窩織炎を発症することが知られ,後天性免疫不全症患者での報告が多い。しかし,造血器腫瘍患者での報告例は極めて少ない。造血器腫瘍の治療中に発症する菌血症および続発する蜂窩織炎を認めた場合には,同菌を起因菌として疑い,通常よりも長期間の血液培養を行う必要がある。また,再燃を繰り返すため長期の抗菌薬投与の必要性があり,その適切な治療方法は今後の症例の蓄積により確立していく必要がある。
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© 2012 一般社団法人 日本血液学会
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