抄録
症例は70歳と45歳男性で治療抵抗性多発性骨髄腫に対してbortezomib療法(1.3mg/m2; day1, 4, 8, 11)が施行された。治療開始時よりitraconazole内用液あるいはvoriconazoleの内服を併用し,投与開始15日目,12日目に麻痺性腸閉塞を発症した。両症例とも腸閉塞発症時に感覚神経障害は認められなかったが,その後遅れて末梢神経障害として四肢末端のしびれが出現した。Bortezomibによる自律神経障害としての麻痺性腸閉塞の報告は少数例ながらあるが,その多くが反復する治療中に発症している。我々の二症例ではbortezomibの初回治療開始後,極めて短期間で麻痺性腸閉塞を発症しており,itraconazoleあるいはvoriconazoleとの併用で早期に高度な自律神経毒性が惹起された可能性が示唆され,併用時には十分な注意が必要であると考えられた。