2013 年 54 巻 3 号 p. 279-283
症例は45歳男性。慢性骨髄性白血病慢性期と診断されimatinib mesylate内服開始後3ヶ月でpartial cytogenetic response (PCyR)を達成した。その後2ヶ月程で,背部痛および末梢血に骨髄芽球を認め精査し,膵頭部に隣接する5 cm大の髄外腫瘤を認め,骨髄検査より慢性骨髄性白血病急性転化と診断した。bcr/abl遺伝子変異解析は陰性であり,dasatinib単独療法によりcomplete cytogenetic response (CCyR)に到達し,急性転化診断後2ヶ月で,姉をドナーとする同種末梢血幹細胞移植を行った。移植後24ヶ月現在,dasatinibの維持療法を継続中で,major molecular response (MMR)を維持している。