臨床血液
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症例報告
抗菌薬治療により骨髄線維化が改善した非結核性抗酸菌症
齊藤 達也服部 圭一郎山下 知子上田 美佳子岡田 啓五石田 信也酒井 友子笠原 一郎磯貝 進熊谷 隆志
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2015 年 56 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

42歳,女性。2011年10月上旬から発熱を認め,貧血と骨髄系前駆細胞の末梢血中への出現があり受診した。骨髄生検では広汎な線維化を認め,骨髄線維症(myelofibrosis, MF)と診断した。画像検査にて縦隔リンパ節腫大と右肺上葉結節影を認めた。縦隔リンパ節生検を行い,抗酸菌検査によりMycobacterium intracellulare (M. intracellulare)による非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria, NTM)症を認めたため,NTM症に伴う骨髄線維症と診断した。抗結核薬にてNTM症の治療開始後,発熱と貧血は改善し,さらに骨髄の線維化も改善した。M. intracellulareによるNTM症とMFの合併例の報告はなく,NTM症の治療によりMFが軽快したという症例も報告されていない。MFの病態を考えるうえで貴重な症例と考えた。

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© 2015 一般社団法人 日本血液学会
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