2016 年 57 巻 10 号 p. 1934-1943
急性骨髄性白血病の治療は化学療法と造血幹細胞移植を両輪として発展してきた。65歳未満における初回寛解導入率は約8割であるが,多くは再発し再寛解に到達せしめる救援療法ならびに造血細胞移植療法が重要である。再発・難反応例に対しては,強力化学療法として,シタラビン大量投与を核とするレジメンが行われる。非強力化学療法として,シタラビン少量投与,シタラビン/アクラルビシン/顆粒球コロニー刺激因子併用療法などが用いられる。一方,高齢者では全身状態良好,染色体/遺伝子予後良好例などではシタラビン通常量を主体とする若年に準じた化学療法を行う。状態不良や予後中間/不良例などでは非強力化学療法として,シタラビン少量投与,シタラビン/アクラルビシン/顆粒球コロニー刺激因子併用療法,ゲムツズマブオゾガマイシンなどが用いられ,状況に応じてbest supportive careが適応される。