臨床血液
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特集:血液疾患における遺伝子変異―最新の知見―
骨髄増殖性腫瘍の遺伝子変異
荒木 真理人森下 総司小松 則夫
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2016 年 57 巻 12 号 p. 2526-2534

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抄録

本稿では,フィラデルフィア染色体陰性の骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms, MPN)の発症に関与すると考えられる遺伝子変異や遺伝的背景について,最新の知見を紹介し,これらの遺伝学的要因のMPN発症における役割を概説する。これまでに,MPNに特異的なJAK2CALRMPL遺伝子変異については,サイトカイン受容体の恒常的な活性化を引き起こしていることが示されている。また,他の造血器腫瘍と共通して見いだされる遺伝子変異については,疾患特異的な遺伝子変異と共役することで腫瘍化の促進や,病型の決定に働いていることが明らかになってきている。一方で,これらの遺伝子変異の一部が,健常な高齢者でも見いだされることから,MPNの発症メカニズムはまだ完全に解明されていない。今後は,MPN発症に関与する遺伝的要因を含めた,より詳細な解析により,MPN発症メカニズムの全貌が解明されることを期待したい。

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© 2016 一般社団法人 日本血液学会
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