2017 年 58 巻 2 号 p. 150-154
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は,形質細胞様樹状細胞由来の稀な腫瘍である。初期治療は奏効するもののほとんどの症例が1年以内に再発し,再発後は治療抵抗性となり,予後は極めて不良である。症例:67歳男性,前胸部紅斑と鼻咽頭腫瘤の生検でCD4・CD56・CD123陽性,CD3・CD20陰性の腫瘍細胞を認め,BPDCNと診断された。骨髄浸潤は認めなかった。CHOP類似療法を施行し,完全寛解となった。治療終了1年後に頭頂部皮膚腫瘤と鼻腔腫瘤で再発し,骨髄浸潤も認めた。BPDCNの再発であり治療抵抗性で予後不良であることが予測されたが,biweekly CHOP療法が奏効し,再び完全寛解が得られた。以後16ヶ月間,無再発生存している。