2017 年 58 巻 8 号 p. 1060-1068
悪性リンパ腫はAYA世代の悪性腫瘍の中で最も高頻度に発症する。AYA世代の悪性リンパ腫としてはHL, DLBCL, BL, ALCLなどの頻度が高い。小児科領域と成人領域とでは,リンパ腫の病期分類,予後指標などが異なり,さらにそれぞれの領域における標準治療が大きく異なる。また,成人領域では新薬導入を主体とした新規治療レジメンの開発に多くの興味が注がれているが,標準治療が異なるため臨床課題も異なるものと思われる。そもそも,これまでAYA世代の悪性リンパ腫に対する研究や報告は殆どない。AYA世代に対する主な研究テーマとしては,妊孕性・就学・就労・メンタルケア,biology,治療開発,予後,合併症,QOL,など多岐にわたるが,これらを系統的に研究する体制はほとんど構築されていない。本稿ではAYA世代の悪性リンパ腫に対する成人領域の臨床的な観点から,現状の問題点や今後の課題を考えてみたい。