臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
14 (EL1-3B)
再生不良性貧血の治療戦略
山﨑 宏人
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 59 巻 10 号 p. 1969-1978

詳細
抄録

「再生不良性貧血診療の参照ガイド」が改訂された。従来のstage 2(中等症)は,赤血球輸血を必要としないstage 2aと月2単位未満の輸血を必要とするstage 2bに細分化され,stage 2bはstage 3以上の重症度と同じ治療方針が推奨されている。ATG+シクロスポリンによる免疫抑制療法には,エルトロンボパグ併用が加わった。また,輸血を必要としないstage 1やstage 2aであっても,診断後早期からのシクロスポリン投与が推奨されている。一方,同種骨髄移植の標準的な前処置として用いられてきた大量cyclophosphamide(CY)は,心毒性軽減のため,fludarabineを併用する減量CYレジメンに変わりつつある。代替ドナーからの移植では,移植後CYを用いた血縁ドナーからのHLA半合致移植が治療関連死亡や慢性GVHDの頻度が低いことから注目を集めている。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top