2018 年 59 巻 11 号 p. 2399-2407
経口プロテアソーム阻害剤ixazomibは,国際共同第III相ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験(TOURMALINE MM-1)の結果に基づき,再発・難治性多発性骨髄腫に対しlenalidomide+dexamethasone(Rd)との併用(IRd)での使用が認められている。本研究ではTOURMALINE MM-1試験のうち日本人患者(41例)における安全性を検討した。日本人集団における全体的な有害事象の発現状況について,IRd群でplacebo-Rd群より増加する傾向は見られなかった。IRd群では血小板減少症,皮膚障害,悪心,嘔吐,下痢の発現がplacebo-Rd群より多かったものの蓄積作用は認められず,慎重な観察,支持療法,用量調節により管理が可能であった。全集団と比べると有害事象の発現率は概ね同様で,日本人集団では試験期間中の死亡例はなく,重篤な有害事象の発現率は全集団より低かった。