2018 年 59 巻 8 号 p. 1016-1026
非血縁者間同種造血幹細胞移植におけるHLA1座不適合の意義を検証するために,2009年から2014年の間に急性白血病および骨髄異形成症候群に対して行われたHLA適合非血縁ドナーからの移植(MUD群)2,089人,HLA1座不適合非血縁ドナーからの移植のうち抗胸腺細胞グロブリン(ATG)未使用例(1MM-ATG(−)群)1,115人,ATG使用例(1MM-ATG(+)群)109人の移植成績を後方視的に比較した。Grade III~IV急性GVHD,非再発死亡率,全死亡率はMUD群あるいは1MM-ATG(+)群が1MM-ATG(−)群より有意に低く,1MM-ATG(+)群の移植成績はMUD群と比べても遜色なかった。MUDと比べて1MM-ATG(−)からの移植成績は最近のコホートを用いて解析しても劣っていたが,少量のATGを投与することで再発率を上げることなく移植成績を向上させる可能性が示された。