2019 年 60 巻 4 号 p. 302-307
65歳女性。2010年に関節リウマチを発症し,MTXが開始された。2012年にサルコイドーシス(サ症)を発症したが,症状が軽度の末梢神経障害のみであったため経過観察となった。その後,2018年に脾臓原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫も併発したためsarcoidosis-lymphoma syndrome(SLS)と診断された。Methotrexateを中止し,rituximab併用化学療法を6コース施行したが,治療終了18週後のPET/CTで縦隔と肺門リンパ節,両側上下肢の骨格筋に新たなFDG異常集積を認めた。肺門リンパ節生検を施行し,リンパ腫の再発は否定された。組織学的には肉芽腫様変化を認めたが,サ症の確定診断には至らなかった。ACEの上昇と下肢筋のMRI所見から臨床的にサ症再燃と判断し,経過観察中である。SLSの化学療法後にPET/CTで異常集積を認めた場合は悪性リンパ腫とサ症の鑑別が重要である。