臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
関節リウマチを合併したCD20陰性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型
吉野 明久牧山 純也今泉 芳孝松尾 江美北之園 英明中島 潤加藤 丈晴三好 寛明大島 孝一吉田 真一郎宮﨑 泰司
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 1 号 p. 33-38

詳細
抄録

CD20抗原はB細胞リンパ腫の多くで発現を認め,診断に重要な表面抗原の1つである。関節リウマチ患者では悪性リンパ腫の合併が多く,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は最も頻度が高い病型である。今回,関節リウマチを合併したCD20陰性DLBCLを経験した。症例は81歳女性。左頸部腫瘤,扁桃腫大,多関節痛を認めた。扁桃病変の病理所見では大型異型細胞のびまん性増殖を認め,免疫染色ではCD3, CD20ともに陰性であった。CD79a, BCL2およびMUM1は陽性,CD10, CD138, BCL6, PAX5, EBV-ISH, HHV8およびALKは陰性であり,関節リウマチを合併したCD20陰性DLBCL, not otherwise specifiedと診断した。減量CHOP療法を行い部分寛解となった。CD20陰性DLBCLは稀であり,臨床病理学的な知見の蓄積が望まれる。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top