2020 年 61 巻 11 号 p. 1563-1569
近年,plerixaforを利用した自家末梢血幹細胞採取が増加している。本剤は高額な薬剤であるが,費用対効果については十分に検討されていない。我々は2013年12月から2018年11月の5年間に末梢血幹細胞採取を行った203例のうちG-CSF単剤群,G-CSF+シクロフォスファミド群,G-CSF+plerixafor群の3群について解析し,plerixaforによる幹細胞採取の効率を検討した。Plerixafor群ではほかの2群と比較して有意に採取費用が高かったものの,CD34陽性細胞2.0×106/kgあたりの採取費用に換算すると差は縮小した。1日あたりの採取CD34陽性細胞数はplerixafor群で有意に多かった(中央値2.90×106/kg vs 2.13×106/kg vs 4.63×106/kg, P<0.01)。Plerixaforは高額だが有効であると考えられた。