臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
Plerixaforを用いた末梢血幹細胞採取の費用対効果の検討
小倉 瑞生塚田 信弘余語 孝夫梨本 淳一郎宇藤 唯佐藤 広太宮崎 寛至吉識 由実子阿部 有岡塚 貴世志石田 禎夫鈴木 憲史
著者情報
キーワード: Plerixafor, PBSCH, Cost, ASCT
ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 11 号 p. 1563-1569

詳細
抄録

近年,plerixaforを利用した自家末梢血幹細胞採取が増加している。本剤は高額な薬剤であるが,費用対効果については十分に検討されていない。我々は2013年12月から2018年11月の5年間に末梢血幹細胞採取を行った203例のうちG-CSF単剤群,G-CSF+シクロフォスファミド群,G-CSF+plerixafor群の3群について解析し,plerixaforによる幹細胞採取の効率を検討した。Plerixafor群ではほかの2群と比較して有意に採取費用が高かったものの,CD34陽性細胞2.0×106/kgあたりの採取費用に換算すると差は縮小した。1日あたりの採取CD34陽性細胞数はplerixafor群で有意に多かった(中央値2.90×106/kg vs 2.13×106/kg vs 4.63×106/kg, P<0.01)。Plerixaforは高額だが有効であると考えられた。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top