2020 年 61 巻 11 号 p. 1600-1604
59歳女性。貧血,嘔気および倦怠感で近医を受診し,多発性骨髄腫が疑われ当院紹介となった。各種検査より,primary plasma cell leukemia(pPCL)と診断した。大量dexamethasone療法に引き続き,CyBorD療法(cyclophosphamide,bortezomib,dexamethasone),KRd療法(carfilzomib,lenalidomide,dexamethasone)を行った。治療効果としては部分奏効相当であったが末梢神経障害を認めたため,DRd療法(daratumumab,lenalidomide,dexamethasone)に変更した。DRd療法15コース後の骨髄検査では,微小残存病変の陰性化を確認できた。Proteasome inhibitorを含む多剤併用レジメンからDRd療法へと連続的に化学療法を施行し良好な病勢コントロールと治療忍容性を両立できたことは今後のPCL治療を考察する上で貴重な症例と考えられる。