臨床血液
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40 (EL-40)
ITPの治療
横山 健次
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2021 年 62 巻 8 号 p. 1229-1235

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抄録

我が国でのITP治療は,ピロリ菌陽性例ではまず除菌療法を行う。陰性例,および除菌に成功しても血小板数が増加しない症例では,治療適応の有無を判断する。血小板数2万/µl未満,あるいは重篤な出血,多発する紫斑,点状出血,粘膜出血がみられる場合は治療適応と判断して,ファーストライン治療として副腎皮質ステロイド,無効あるいは減量後に再発した場合はセカンドライン治療を行う。セカンドライン治療にはトロンボポエチン受容体作動薬,rituximab,脾摘の3つがあり,いずれを選択するかは各々の治療の特徴を考慮して決める。ITP治療の選択肢は増えたが,難治例のサードライン以降の治療法は確立していない。新規薬剤の臨床試験が進んでおり,有効なサードライン治療が確立されることが期待される。

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© 2021 一般社団法人 日本血液学会
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