臨床血液
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学会奨励賞受賞論文
赤白血病の分子病態と治療標的の検討
竹田 淳恵
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2022 年 63 巻 2 号 p. 121-133

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抄録

急性赤白血病(acute erythroid leukemia, AEL)は赤芽球の著明な増多を特徴とする急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)の1つの稀な疾患群であり,従来骨髄中の赤芽球の割合によりpure erythroid leukemia(PEL: M6b)とerythroid/myeloid leukemia(EML: M6a)に分類される。これまでAELのゲノム解析の既報では,未だ特徴的なphenotypeを説明する変異や疾患特異的な分子標的が十分に明らかとなっていない。我々は105例のAELに包括的なゲノム解析を行い変異の共存排他関係より,TP53STAG2NPM1変異の有無により分類されることを示した。特にTP53変異を持つAELにおいてはJAK2EPORERG/ETS2の変異や増幅を高頻度に認め,PELに特に濃縮していた。AEL 12例の発現解析では細胞増殖,ヘム代謝,そしてSTAT5 pathwayの発現上昇がAEL全体の特徴であった。さらに患者検体由来マウスモデルを作成し,JAK1/2阻害薬であるruxolitinibによる抗腫瘍効果を検討した。結果ruxolitinibがAEL細胞の増殖を抑制することを示した。これらの結果はAELの治療においてJAK2阻害が有用である可能性を示唆する。

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© 2022 一般社団法人 日本血液学会
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