2022 年 63 巻 7 号 p. 764-769
カップ様の核陥凹が核直径の25%以上を占める核異常を持つcuplike急性骨髄性白血病(AML)は,FLT3変異かつNPM1変異を伴いやすい。症例1は47歳男性。FLT3-ITD陽性,NPM1変異type Aの急性骨髄性白血病(AML)と診断された。Idarubicin+cytarabineによる寛解導入療法不応で,qiuzartinib投与で,完全寛解を達成した。症例2は71歳女性。FLT3-ITD陽性,NPM1変異type BのAMLと診断された。Venetoclax+azacytidineによる寛解導入療法不応で,qiuzartinib投与で,完全寛解を達成した。2症例ともDICを合併し,cuplike芽球が増加しており,芽球はCD34陰性,HLA-DR陰性であった。Cuplike芽球を同定することは,急性前骨髄性白血病との鑑別,およびFLT3阻害剤の早期使用に有用であった。