臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
急性前骨髄球性白血病との鑑別を要したcuplike芽球を認めるFLT3-ITDおよびNPM1遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病
青山 一利山崎 嘉孝毛利 文彦前廣 能美髙木 友輔大屋 周期中村 剛之森重 聡山口 真紀長藤 宏司
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 63 巻 7 号 p. 764-769

詳細
抄録

カップ様の核陥凹が核直径の25%以上を占める核異常を持つcuplike急性骨髄性白血病(AML)は,FLT3変異かつNPM1変異を伴いやすい。症例1は47歳男性。FLT3-ITD陽性,NPM1変異type Aの急性骨髄性白血病(AML)と診断された。Idarubicin+cytarabineによる寛解導入療法不応で,qiuzartinib投与で,完全寛解を達成した。症例2は71歳女性。FLT3-ITD陽性,NPM1変異type BのAMLと診断された。Venetoclax+azacytidineによる寛解導入療法不応で,qiuzartinib投与で,完全寛解を達成した。2症例ともDICを合併し,cuplike芽球が増加しており,芽球はCD34陰性,HLA-DR陰性であった。Cuplike芽球を同定することは,急性前骨髄性白血病との鑑別,およびFLT3阻害剤の早期使用に有用であった。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top