臨床血液
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第83回日本血液学会学術集会
der(1;7)(q10;p10)陽性骨髄異形成症候群の特徴
奥田 瑠璃花
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2023 年 64 巻 12 号 p. 1519-1522

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抄録

der(1;7)(q10;p10)は,DNA複製時に生じる1番染色体と7番染色体の不均衡転座である。初めてder(1;7)(q10;p10)が血液疾患で報告されたのは1980年と40年以上も前であり,3症例の骨髄繊維症(myelofibrosis)と骨髄化生(myeloid metaplasia)において同定された。現在では,この不均衡転座は骨髄異形成症候群でしばしば認められる特徴的な異常の一つであることが明らかになっている。近年になって,der(1;7)(q10;p10)陽性の骨髄異形成症候群症例は,−7/del(7q)陽性症例と比較して予後良好であり,遺伝子プロファイルも特徴的であることが示されている。本稿では,我々の最新の研究の知見も踏まえながら,der(1;7)(q10;p10)陽性の骨髄異形成症候群の臨床的・遺伝学的特徴について論じる。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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