2023 年 64 巻 9 号 p. 892-899
「再生不良性貧血診療の参照ガイド」が3年ぶりに改訂され,初めてクリニカルクエスチョンが設定された。抗胸腺細胞グロブリン(antithymocyte globulin, ATG)とcyclosporinの2剤にeltrombopag(EPAG)を併用することの有用性が示されたことから,今回の改訂ではATG投与後できるだけ速やかにEPAGを開始することが推奨された。また,HLA適合同胞ドナー候補が存在する若年成人重症再生不良性貧血患者であっても,まずは免疫抑制療法を行って奏効不十分の場合や再発がみられた場合などに同種骨髄移植を行うという方針も選択肢の一つに挙げられた。これらのほか,非重症例への積極的な治療,ATGの投与量と年齢の上限,感染症予防,G-CSF投与などが検討された。今後もエビデンスの収集に努めていくとともに,本邦におけるエビデンス構築を目指した臨床試験の推進が必要である。