2024 年 65 巻 4 号 p. 243-248
症例1は70歳女性。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対してHLA半合致血縁者間同種末梢血幹細胞移植を行い,day14にCorynebacterium striatumによる血流感染症(blood stream infection, BSI)を来したが,vancomycinを投与し血液培養は陰性となった。Day63に背部痛が出現し,magnetic resonance imaging(MRI)にてTh8~Th9の化膿性脊椎炎と診断した。血液培養で同菌が検出され,daptomycin(DAP)を2ヶ月間投与し軽快した。症例2は65歳男性。血管免疫芽球性T細胞リンパ腫に対してDR1抗原不一致非血縁者間同種骨髄移植を行い,day3にEscherichia coli,day9にCorynebacterium striatumによるBSIを認め,抗菌薬投与にて血液培養は陰性となった。Day30より腰痛を自覚し,MRIでL4~L5の化膿性脊椎炎と診断した。血液培養は発育なく,先行したBSIの起因菌の薬剤感受性を参考にDAP,clindamycinを半年間投与し軽快した。同種造血幹細胞移植施行後の生着前BSI合併例において,腰背部痛を認めた場合は化膿性脊椎炎を考慮する必要がある。