臨床血液
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症例報告
体外式膜型人工肺管理下の寛解導入療法により救命し得た急性骨髄性白血病
高木 友輔楊井 俊之柴田 龍宏本間 丈博大塚 麻樹山崎 嘉孝大屋 周期中村 剛之前廣 能美山口 真紀青山 一利毛利 文彦福本 義弘長藤 宏司
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2024 年 65 巻 5 号 p. 330-334

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抄録

症例は,53歳女性。呼吸困難と白血球増加で,入院し直後に,心肺停止した。白血球数56.6万/µl,芽球94.5%,MPO染色陽性のcup-like,FLT3-ITD陽性を認めたことから,急性骨髄性白血病(AML)M1と診断した。播種性血管内凝固と腫瘍崩壊症候群を合併していた。深部静脈血栓から両側肺血栓塞栓症を合併しており,体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)を導入した後に,寛解導入療法を開始した。第3病日に脳出血を合併したが,第39病日に,血液学的寛解を確認した。化学療法とFLT3阻害薬による地固め療法後に,同種造血幹細胞移植を行い,生存している。ECMO管理下での化学療法による造血器腫瘍患者の救命例報告が増加している。支持療法の発達により寛解導入療法中の早期死亡が減少することが期待される。

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© 2024 一般社団法人 日本血液学会
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