2025 年 66 巻 4 号 p. 258-266
真性多血症(PV)の治療のゴールは,現時点においても血栓・出血性のイベントの抑制に主眼が置かれている。一方,これらの治療戦略では疾患進行を抑制できないことも指摘されている。Interferonは1980年代よりPVの治療に用いられ,一部の症例では細胞遺伝学的効果が確認されたことから,疾患進行を効果しうる薬剤として期待されてきた。Ropeginterferon alfa-2b(ropeg)は新世代のinterferon製剤であり,有害事象の発生率が低く,また投与間隔が長いという特徴を有する。Hydroxyureaをコントロールとしたropegのランダム化第III相試験において,ropegは血液学的効果のみならず,JAK2V617F allele burdenを有意に低下させることが確認された。同様な効果は,国内phase2試験でも確認され,2023年より国内でも承認されるに至っている。