2026 年 67 巻 2 号 p. 114-117
免疫性血小板減少症(ITP)は,抗血小板抗体による血小板破壊と血小板造血抑制が,主な病態である。治療に副腎皮質ステロイドやトロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RAs)などを用いるが,2022年にSyk阻害薬fostamatinibが承認された。国内第三相試験ではfostamatinibとTPO-RAsの併用例は報告がなく,当院で経験した4例について報告する。2例で追加療法開始後に副作用でfostamatinibを中止したが,全例で血小板数が増加し,1例でステロイド中止が可能であった。血小板数が急増した症例もあり,血栓症に注意を要する可能性がある。FostamatinibとTPO-RAsの併用は,それぞれの作用機序が異なるため相加的効果を示す可能性があり,再発難治性ITPの有効な治療選択肢として期待されるが,有効性と安全性の検討にはさらなる症例の蓄積が求められる。