抄録
木材価格の短期的急落に対する素材生産事業体への影響とその対応について、2012年の材価暴落を例に宮崎県、大分県、熊本県の事業体を対象にアンケート調査および対面調査を行った。事業体を規模(年間素材生産量)、事業地取得方法と出荷方法によって立木購入型、自社所有林型、請負市場出荷型、請負直送型の4つに分類し、材価暴落時前後の対応の違いを考察した。その結果、最も材価暴落の影響が見られたのは立木購入型で、影響が小さかったと回答したのは請負直送型であった。ただし、直送価格は市場価格を参考に決めているところが多く、材価暴落時に直送価格が下がった事業体も見られた。また直送価格には変化がなかったものの、出荷規制によって出荷量を抑制せざるをえなかった事業体もあった。年間を通じて安定した出材先の確保が、短期的材価下落に対するリスク回避策であることが示唆された。