抄録
1993年以降に和文もしくは英文の査読付き論文として公表された国内外における木材需給モデルに関する計量経済学的研究を非定常時系列への対応方法に着目して整理し、日本を対象とした当該研究分野では今後どのような視点での研究展開が求められるのかを考察した。その結果、日本国内を対象とした研究には非定常時系列に対応する方向性が見られたが、年次データによる分析に限られるなど不十分な点が見られた。他方、日本国外を対象とした研究には、月次データや四半期データの活用、非定常時系列への対応方法の多様性が見られた。日本における当該研究分野の展開方向について、1) 月次データや四半期データを活用すること、2) 需給の同時方程式モデルを非定常時系列に対応した形に拡張すること、3) 製品段階での競合関係を考慮した木材輸入分析を行うことが重要であるとした。当該研究分野における課題解決には長期間にわたって取り組むことが望まれる。