2022 年 28 巻 p. 301-306
砂州の移動により河道内で生じる様々な問題は,近年の砂州上の樹林化の影響が加わることで深刻化している.そのため,砂州移動速度の特徴を明らかにすることは,河道管理上の重要課題といえる.一方,砂州移動速度への影響が想定される砂州形状や植生動態の特徴は河川間で大きく異なるにも関わらず,既往研究には複数河川を対象に樹林化パターンの違いを論じたものや,砂州形状との相互作用を整理したものは見受けられない.本研究は関東6河川を対象に,砂州形状と樹林化特性のパターンを,両者の力学的な相互作用に着目して抽出・整理した上で,それらが砂州の移動速度に及ぼす影響について分析をおこなった.その結果,河道の線形と川幅水深比によって,砂州形状と樹林化および植生破壊のパターンや,砂州の移動速度がおおよそ規定されることを示し,取り得る代表的な対策が河川間で異なることを述べた.