2022 年 28 巻 p. 379-384
日本では,多くの河川が整備途上にあり,河川整備の加速とともに,氾濫の被害軽減に向けた水防災・減災まちづくりとの連携が求められている.近年は,これらを含む流域関係者の連携により,氾濫の被害軽減を図る流域治水の実践が進められつつある.一方で,流域内でも地域ごとに,地形特性,住まい方,水防体制は異なり,治水安全度も異なる.そこでは,地域の慣習や特性を踏まえたまちづくり・地域づくりとともに緊急時の減災まちづくりを意識した治水を検討することが重要となる.この対策の主体は自治体や地域住民であり,各種の法律・制度の下に対策を講じている.
本論文では,地域の対策を担う自治体に着目し,法律・制度の整理及び地域発意の複数事例の検討を踏まえて,近年の流域治水関連法の施行等を含む自治体を取り巻く水防災・減災まちづくりの新しい体系とその課題を示している.