2022 年 28 巻 p. 49-54
河川工事では重機や資材を避難させる場合,12時間以上先の出水有無や水位を把握する必要がある.著者らは降雨分布画像を用いて深層学習により24時間先の水位を予測する手法を構築した.本稿は,本手法の様々な河川への適用性および予測精度に影響を与える流域特性の抽出を目的として,全国30地点を対象に出水予測の正答割合と流域面積,河川延長の関係を検討した.その結果,流域面積が4,000km2以上の場合,12,18,24時間先の予測結果に差異が生じることを確認した.また本手法は連続した複数時間の降雨分布画像を用いるが,洪水到達時間を考慮して画像の採用時間を設定することで,正答割合が向上する可能性が有ることを確認した.