2022 年 28 巻 p. 55-60
河川増水の際に避難等のリードタイムを確保するためには,降雨予報データに基づく流量予測配信を行うことが望ましい.しかし,流出解析モデルにおいて気象モデルによる降雨予報データを入力とすると,観測雨量を利用する場合と比べて流量予測精度が低下する場合がある.MSM(メソ数値予報モデルGPV)は39時間先までの予報データとなっており,流量予測に有用だと考えられるが,MSMを河川流量予測に用いた場合に生じる誤差について十分に定量的な検証が行われていない.本研究では,5流域において各流域の流況を再現できるタンクモデルを構築して,MSMを入力雨量したときの流量の誤差について分析を行った.その結果,MSMを入力雨量として利用した場合にはMSMが更新されるごとに低減するものの,流量のピーク時間には数時間から約10時間の誤差が生じること,ピーク流量には約20%-60%の誤差が生じることが明らかとなった.