2024 年 30 巻 p. 629-634
本研究では,3DLiDARによる3次元点群と全国整備されている3D地図モデルを融合した地形に氾濫解析結果を重ねて山口県のある二級水系における想定最大規模の3DVR洪水ハザードマップを開発した.新たな可視化手法である広視野ドーム状ディスプレイを導入して3DVR洪水ハザードマップを可視化した結果,従来のハザードマップでは見ることができないような様々な角度から街区全体の浸水状況をリアルに可視化できた.また,3DLiDAR測量による3次元点群から高精度な建物モデルを構築した要配慮者利用施設においては,建物周辺と内部の両方で浸水深と建物高さの関係性をリアルに再現できており,避難時に水没した場合に濁った氾濫水で視界が失われる様子を高い没入感で可視化できることを確認した.したがって,従来3D建物モデルが充実していない中小河川流域において,街区全体から既存の3Dハザードマップでは可視化出来なかった建物内部までリアルな浸水深の可視化を実現した.