河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
将来河川流量の推計に向けたd4PDFバイアス補正手法の空間補間
渡部 哲史阿部 紫織中村 要介
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 31 巻 p. 349-354

詳細
抄録

本研究では将来河川流量推計で広く用いられている地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)のバイアス処理に関して,著者らが開発し広く利用されている従来の観測点単位の手法を,d4PDFのメッシュ単位の空間分布を持つデータへと拡張する空間補間技術を提案し,その有効性について検証した.検証においては流域に1地点しか参照値となる観測地点が存在しない流域を題材として,手法による降水量および流量推計結果の差を推計した.降水量の検証結果からは地形性降雨など参照値が限られる地点における再現性には課題を残すものの,単一の降雨を用いる場合と比べて多様な空間降雨パターンを再現することが確認できた.流量推計においてもこの降雨の空間パターンの反映により単一の降雨を用いた場合と大きく異なる流量が推定されることが示された.本研究成果は従来単一の降水量のみを使うしかなかった中小河川において空間分布を考慮した気候変動下での河川流推計を可能とするものであり,気候変動適応に資することが期待される.

著者関連情報
© 2025 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top