河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
氾濫発生地点の特定精度の違いが浸水域の予測精度に及ぼす影響に関する研究
久保 英二朗船橋 昇治銭 潮潮田中 耕司中安 正晃朝堀 泰明池内 幸司
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2025 年 31 巻 p. 355-360

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抄録

本研究では,氾濫予測のために必要となる破堤・越水地点(氾濫発生地点)の特定精度(解像度,精密さ)と,その特定精度が浸水域の予測性能(予測精度や見逃し率)に及ぼす影響を分析するための手法を検討した.氾濫地点の特定精度と浸水域の予測性能の関係を定量的に分析するためには,①複数の氾濫解析結果を用いて多変量解析を行う必要がある,②氾濫発生地点の特定精度に対して客観性のある定義が必要である.そこで著者らは,Proper-Orthogonal-Decomposition(POD)を用いることで氾濫の進行特性を低次元空間上で表現し多変量解析を可能とし,ward法を用いて氾濫の進行特性の類似性に基づく階層構造を抽出することで,氾濫発生地点の特定精度の数理的根拠とした.本研究で提案した手法を愛知県岡崎市に適用した結果では,氾濫発生地点の特定精度を一般的な河道測点間隔に対して25%程度粗略化しても,避難困難となる浸水メッシュの見逃し率は10%未満であることが分かった.

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© 2025 土木学会
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