2026 年 32 巻 p. 25-30
河川のダイナミズムは洪水攪乱により地形および植生が時間的に変化する現象であるが,その空間分布を評価する手法は十分に確立されていない.本研究では複列・多列砂州河道を対象として,複数時期の植生図に基づき群落クラスタを構築し,河床高および河床変動特性との関係を分析した.その結果,群落クラスタは低比高かつ河床変動量の大きい領域,高比高で変動量の小さい領域などに対応して分布し,河川のダイナミズムを高・中・低の撹乱領域として区分できる可能性が示された.さらに,群落クラスタの時系列的変化を把握することで,洪水攪乱の影響範囲の変化を評価できる可能性が示唆された.以上より,群落クラスタは河川のダイナミズムの視覚化および河川環境評価に有効な指標となり得ることが示された.