2026 年 32 巻 p. 433-438
2024年の能登半島豪雨で被災した塚田川の洪水氾濫に土砂・流木が及ぼした影響ついて,数値解析結果と現地のデータとを比較しつつ検討した.降雨-土砂・流木流出モデルを用いて流域からの水・土砂・流木の流出を時系列で得て,その解析結果を境界条件として下流の平野部の平面二次元解析を行った.流域モデルの解析結果は,崩土の移動経路や河道の侵食・堆積について概ね実測と対応しているが,崩壊の発生位置や侵食深の設定の観点では課題もある.下流域の平面二次元解析の結果,橋梁に流木が捕捉されて閉塞し,これを迂回する流れが形成され,氾濫流と河道の流れが合流する橋の左岸側に速い流れが発生している.流れのみの計算と土砂・流木を考慮した計算結果は大きく異なる.また,土砂・流木量の大小は洪水氾濫流の流況に一定の影響を及ぼしている.