Revue japonaise de didactique du français
Online ISSN : 2433-1902
Print ISSN : 1880-5930
実践報告
Éducation plurilingue et appropriation du japonais : exemple d'exploitation des compétences plurilingues-pluriculturelles
Rei KOMAI
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 17 巻 1-2 号 p. 118-128

詳細
抄録

複言語・複文化能力(Coste et al., 1997, 2009)は,グローバル化された社会的文脈における言語教育を考えるために重要な概念である。日本の学校教育における言語教育政策,そして日本の外国語としての日本語教育では,評価ツールとしてヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を採用しているものの,複言語主義のコンセプトについては取り入れていない。したがって,学習者は複言語・複文化能力をどのように活用しているか,またその能力を言語教育においてどのように活用していけるのかという問題についてはほとんど考慮されてきていない。同様にフランスでも,大学の外国語の授業における複言語の実践はそれほど一般的ではない。

そこで,フランスの学生の複言語・複文化経路の観点から日本語学習の調査を行った (2021)。そして,研究成果から明らかになった学生の言語獲得の現実に基づいて,彼らの複言語・複言語能力を活用して日本語学習を支援する複言語教育について検討した。本研究では,先行研究と筆者の実践に基づいた活動と学生の学習を支援する方法を提示する。

著者関連情報
© 2022 日本フランス語教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top