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国立国会図書館におけるパッケージ系電子出版物利用可能性調査について(<50号記念特集>「記憶、記録、史料、館、ネットワーク-そのパラダイムシフトを考える」)
今野 篤
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 50 巻 p. 30-39

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抄録

国立国会図書館では平成14年度よりデジタル情報の長期保存に関連した調査を実施している。平成15年度には国立国会図書館が所蔵するパッケージ系電子出版物(CD-ROMやDVDなど、電子媒体に固定された出版物)の利用可能性調査を実施した。その結果、サンプルの約7割に利用上の問題があることが判明した。問題の内訳は、OSに関係するもの(50%)、アプリケーションプログラムに関係するもの(30%)、媒体に関係するもの(12%)、その他(8%)である。これら利用上問題のある資料については、エミュレーションやマイグレーションなどの長期保存対策が有効だと考えられているが、長期的な展望に基づいて実施する必要がある上、それを可能にするシステムも欠かせない。長期保存システムの構築にあたっては、OAIS参照モデルが参考にはなるが、システム自体の寿命や技術進歩、システム移行なども考慮しなくてはならない。

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© 2005 記録管理学会
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