2017 年 72 巻 p. 52-67
本稿では、19世紀後半にカール・オガスト・ボマンソンにより運営されたセナーッティ公文書館(のちの国家公文書館)をとりあげる。次の内容が扱われる。最初に、どのような状況でボマンソンは「最初の」国家公文書館アーキビストとして1859年に雇用されたか。第二に、ボマンソンの考えでは国家公文書館の目的はどのようなものであったか。第三に、どのようにボマンソンや彼の協力者はフィンランド及び国家公文書館に関わるアーカイブズ活動を実施したか。最後に、セナーッティ公文書館とは何か、そしていかにセナーッティ公文書館は国家公文書館と変容したのか。