トマト中玉品種‘華小町’の養液栽培 (スプレーポニック) における多収化を目的として,台木の与える効果を評価した.‘がんばる根フォルテ’,‘スパイク23’,‘フォルタミーノ’に‘華小町’を接ぎ木すれば強草勢になる傾向が認められ,‘スパイク23’と‘フォルタミーノ’で自根に比べ収量が有意に増加した.栽培終期に培養液槽から採取した各品種の根の平均直径は‘フォルタミーノ’ > ‘スパイク23’ > ‘がんばる根フォルテ’ > ‘華小町’ (自根) の順となり,接ぎ木で根が太くなる傾向が認められた.比根長 ( = 根長/根重) は‘フォルタミーノ’で有意に減少し,茎の新鮮重は‘スパイク23’で有意に増加した.特に‘フォルタミーノ’に接ぎ木した‘華小町’は栽培終期まで茎径が太く活性が維持された.太い根が養分供給のシンクとして機能することや,根が白く総体的な生理活性が高いことが,収量の増加に寄与した可能性がある.