2026 年 35 巻 1 号 p. 23-26
土壌水中の窒素濃度を把握することは,硝化抑制効果の検証を含め,持続的な窒素管理に不可欠である.本研究では,多検体の分析に適した簡易測定法として,硝酸イオンメーターの濃度範囲ごとの適用性および土壌の違いが予測精度に及ぼす影響を評価した.イオンメーターと比色法の硝酸態窒素測定値で単回帰分析を行うと,イオンメーターの推奨測定範囲内である6.8~140 NO3-N ppmとそれよりもやや高い140~300 NO3-N ppmの範囲では精度が高かったが,0~6.8 NO3-N ppmの低濃度域では精度が低かった.異なる3種類の土壌を用いた試験では,予測精度において土壌間で大きな違いは認められなかったが,回帰係数が土壌ごとに異なり,異なる土壌間で回帰式の共有は困難であることが示された.以上の結果から,イオンメーターは多検体を扱う際の省力技術として利用可能であるが,濃度範囲や土壌特性に起因する予測値の変動に留意する必要があると考えられた.