通気組織は成因により, 基本組織内に形成される一次通気組織とコルク形成層 (二次分裂組織) から形成される二次通気組織に分類される. 古くは「通気組織」という用語は二次通気組織のことを意味し, 19世紀初頭からその形態形成に関する研究が行われてきた. 二次通気組織はコルク組織と相同関係にあり, コルク組織が死細胞から構成されているのに対して, 細胞壁がスベリン化しない生細胞から構成される白色のスポンジ状組織である. 耐湿性が強い植物では, 湛水条件下において, 茎, 胚軸から主根, 不定根および根粒に至るまで連続して形成され, 茎基部では大気中の酸素を植物体に取り込む皮目のような役割をすると同時に, 地下部組織へ酸素を供給している. 耐湿性が強いマメ科植物では, 湛水条件下においても二次通気組織を通じて酸素と同時に窒素が供給されるため, 根粒は高い窒素固定能を維持している. 現在のところ, 二次通気組織の形成機構や通気機能に関する研究は基礎的段階にあるが, 今後の研究進展によって二次通気組織の利用による畑作物への耐湿性付与が期待される.